上司のパワハラに耐え切れず、人事部に訴えました。

「人事部として本件は慎重に調査する」との返答をいただき、パワハラに関する調査に人事部が動き出しました

パワハラを人事部に訴えた結果どうなったのか、その経緯と結果をご紹介します。

一例として、私と同じくパワハラに悩む皆さんの参考になればと思います。



KIRO-岐路-

パワハラ上司について、人事部に訴える?我慢する?
 

KIRO選択ポイント

  • いわゆる大企業であり、組織的に「人事部」が存在している。
  • 上司によるパワハラが横行し、部内にメンタルを壊した社員が複数名存在する。
  • 部長クラスのパワハラな為、部内に解決できる人が居ない。
  • 部員皆が罵倒される恐怖に委縮している。
  • 異動希望が簡単に通る状況ではない。
  • 現時点で転職する気はない。
  • 睡眠、食事、集中力低下など身体に影響が出てきている。
選択

人事部に相談し助けを求めてみました。
 

1.状況

パワハラに耐える日々

パワハラにも色々な種類があるかと思いますが、『怒鳴る』+『暴言』+『理詰め』+『無視』という精神的な攻撃によるものでした。

  • ほぼ毎日のようにみんなの前で怒鳴り散らす。
  • 「リーダー失格。リーダーからおろすぞ」
  • 「お前のチームは全然ダメ。解散させるぞ」
  • 「お前ら雇った意味ねぇな」
  • 「どいつもこいつもなってない。部員失格」
  • 好き嫌いが激しく嫌いな人に対しては挨拶すら完全無視。
  • 同じことをしたとしても、特定の人(嫌いな人)だけ罵倒される。
  • 気分が都度変わり、張本人に指示された内容であっても気分次第で罵倒される。

・・・etc…。



人格否定(例えば、「生きる価値がない」)とまではいかないものの、毎日のように怒鳴り散らされ、無能扱いされ、嫌われてしまえば無視される。・・・そんな公開処刑が日々行われる職場です。

笑っちゃいますよね。
こんなことを平然としちゃう方が自分たちの部署のトップとして君臨しているのですから。

当然のごとく、みんな委縮しながら仕事をする。

簡単な報告に行くだけでも、空気(顔色/機嫌)を読まなければいけない。
「上司の正解」を日々探りながら仕事する。
上司の意にそぐわない言動をした時点で怒鳴られる。

自分の意思なんてあったもんじゃありません。
「誰のために」、「何のために」、仕事をしているのか、もはや分かりません。

メンタルヘルスを害して通院するもの複数名。

個々人のパフォーマンスが落ちるだけの不毛な状況。
そんな状況を「教育だから」の一言で片付けていいわけがないんです。

2.誰に助けを求めれば良いのか?

①直属の上司に相談する

この元凶が一介の部員であれば、上司に相談して対応してもらうなどの動きができるんですが、他ならないその「上司」(部のトップ)がパワハラの元凶なので、効果はありません。

事実、課長(パワハラ部長の部下)に時間を取って相談したり、先輩に相談したりもしましたが、何も解決しませんでした。

誰もが解決してほしい問題であることは認識しているにも関わらず、「サラリーマンの性」というのでしょうか、誰も自分から波風を立てて行動を起こす気はないのです。
そんなことしたら、自分の立場が危うくなりますから。

「耐えるしかない」という共通認識のもと、部内に解決を求めても意味がないと諦めました。

②外部団体に相談する

先に訂正しますが、パワハラを訴える外部団体として「労働基準監督署」を挙げる人がいますが、労働基準監督署は「賃金、労働時間、安全衛生などについての監督、指導などを行う」場所なので、厳密にはなります。

下記のURLにて、パワハラについても言及されていますので一度ご覧になってください。

【知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouzenpan/roudouhou/index.html

CHECK:【抜粋】パワハラの相談先 

<総合労働相談コーナー>
各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や全国の各労働基準監督署などに設置している「総合労働相談コーナー」では、解雇、賃金引下げなどの労働条件の問題のほか、募集・採用、いじめ・嫌がらせなど、労働問題に関するあらゆる分野について、労働者、事業主どちらかからの相談でも、専門の相談員が、面談あるいは電話でお受けしています(ご相談は無料です)。
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

<法テラス>
法テラスは、法的トラブルに遭ったときに「どこに相談したらいいか分からない」「身近に弁護士がいない」「弁護士費用が払えない」といった理由から、相談できずにいる人も少なくないことから、全国どこでも、だれでも、必要な法的支援を受けられるよう設立された総合相談所です。
労働問題についても、みなさんの法的トラブルを解決するため、法テラスでは、さまざまな法的サービスを提供しています。
https://www.houterasu.or.jp/



本気で会社と争う覚悟がある場合は、外部団体に相談することが効果的です。

この手段を選択する際は、訴訟も視野に入れて、ボイスレコーダー等で日々のパワハラの証拠を残すなど完全武装することをおすすめします。

実際どうするか考えましたが、私の場合はそこまで強硬手段を取るほどの状況ではないと判断しました。

結果、外部団体に相談することは一切ありませんでしたが、訴訟まではいかないものの、「現状がパワハラと認定される状況か」などを確認する程度に利用してみても良いかもしれません。

③人事部に相談する(訴える)

色んなケースを想定しましたが、人事部へ訴えることにしました。

そこに期待しないのであれば、もはや証拠を出して訴訟を起こすという、強硬手段しかないからです。

そこまでの労力をかける力が残っていなかったこともあり、人事部を最後の頼みの綱として賭けてみることにしました。

CHECK:労働組合への相談も選択肢 

勤め先に労働組合が存在している場合は、労働組合に相談してみるもの一つの選択肢です。組合がそれなりに力を持っている場合は組合が動いてくれることになりますが、組合から要求を出された場合、会社側は何かしらの対応をとらざるを得ないことになります。人事部が全くやる気がないケースでも、何かしらの動きに繋がる可能性があります。ただし、労働組合を経由した場合、手順を誤ると完全に会社側と敵対してしまうことになりますので、そこは留意が必要かと思います。

3.パワハラとの闘い(人事部にパワハラを訴えた結果)

(1)人事部への訴え

人事担当者に現状を訴え。
その後、人事部長、課長に呼ばれ現状を訴え。

「どうしたらいいかわからない。将来が不安だ。助けてほしい」、と。

みんなグウの音も出ない。
・・・というのも、そのパワハラ上司が問題となっていることは、皆認識しているのです。

認識している上で、「その役職の代わりがいない」、「パワハラ上司の受け入れ先がない(評判が悪すぎて)」という理由で、今の部署に押し込められているというのが実情でした。

とりあえず、人事部(会社)としてパワハラの実態調査を実施するという約束をいただきました。



(2)パワハラ実態調査結果

部員全員に対して個別にヒアリングが行われました。

ヒアリング自体は非常に残念なもので、「パワハラ上司を擁護する方向」に誘導する形でヒアリングが進められました。

しかし、部員全員は現状をありのままに訴えました。

後日、報告いただいたヒアリング結果は、以下の通りでした。

●パワーハラスメントと疑わしき言動がある。
●ただし、パワハラ上司がすべて悪いと言い切れるものではなく、懲戒に至るものではない。
●その為、パワハラ上司には厳重注意を実施する。

CHECK:「厳重注意」の意味 

労働基準法はあくまで「従業員を守ること」が大前提である為、問題があるからという理由だけ(よほどの犯罪をしない限り)では、実際はいきなり一従業員を懲戒処分にすることはできません。会社側の立場から考えると、まずは厳重注意を行う必要があり、それでも反省なく繰り返されるようであれば懲戒にするといった流れにせざるを得ません。そのような背景もある為、「厳重注意だけ」という点に不満は残る一方で、懲戒の候補として挙がったという見方をすることもできます。

(3)厳重注意の結果

会社からパワハラ上司に厳重注意が行われた結果、パワハラ上司は確かに以前よりも怒鳴ることは減りました

しかし、その結果、最も被害を受けたのは、私個人でした。

パワハラ上司から完全に無視されるようになってしまったのです。

確かに、私が訴えた結果、部員の生活は少しでも安心できるものとなり感謝されましたが、その代償を全て私が背負うことになりました。

(4)人事異動

ただでさえ仕事で関わりたくないにも関わらず、挨拶すら目も合わさず無視されるようになった時点で、仕事なんて成立するわけがありません。

迷わず、異動願いを提出しました。

結果、すぐに別の部署に異動することが決定

ようやく私にも平和が訪れることとなりました。

本来、異動願いはすぐに通るようなものではありませんが、すべての事情を知っている人事部が配慮してくださったわけです。



結果

 

報告

ハッキリ言いますが、会社を辞める覚悟と気概がない限り、パワハラとは闘えません

ハッキリ言いますが、パワハラ解決において、基本、同僚は頼りになりません
波風立てて自分が不利益を被ることを恐れていることが普通です。
「誰かがなんとかしてくれないかな」と、他人任せなのが普通です。

「耐えてパワハラ上司が去ってくれるのが先」か、「自分が耐えきれなくて壊れるのが先」か。

辞める覚悟を持ってパワハラと向き合うことを決めて行動し、
「平和を自分で取り戻せる」か、「会社に追い込まれて自分が会社を辞めざるを得ない結末となる」のか。

その選択と結果は自分次第です。

私は「耐えて待つ」というのが性に合わない為、「地獄を覚悟で行動する」という選択を行いました。

その結果、途中で本当に地獄が訪れましたが(笑)、それでもそのときに後悔はしてませんでしたし、最終的には他部署への異動にも繋がり、今では「捨てる神あれば拾う神ありだな~」と一山超えてスッキリした気持ちです。


<最後に大切な補足>
本記事では詳細なやり取りは割愛しましたが、実際は、人事部とのやり取りが何度も行われた上での結果です。
行動を起こすことは本当に多くのエネルギーを使いますし、リスクを背負うことを覚悟してください。
各々の状況で最善策はもちろん違います。
ただ共通して言えるのは、「自分にとっての最悪」が何かを考え(私の場合は、この地獄があと何年も変わらず続くことでした)、自分が後悔しない選択をすることが大切だと思います。
あと、なんかあったときに出るとこに出れるようにする為に、パワハラの証拠は絶対に残しておくようにしましょう!

以上
https://www.kirocloak.com/wp-content/uploads/2018/11/power_harassment-jinji_img001.jpghttps://www.kirocloak.com/wp-content/uploads/2018/11/power_harassment-jinji_img001-150x150.jpgKIROcloak仕事休職,異動,転職,適応障害上司のパワハラに耐え切れず、人事部に訴えました。 「人事部として本件は慎重に調査する」との返答をいただき、パワハラに関する調査に人事部が動き出しました。 パワハラを人事部に訴えた結果どうなったのか、その経緯と結果をご紹介します。 一例として、私と同じくパワハラに悩む皆さんの参考になればと思います。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ほぼ毎日のようにみんなの前で怒鳴り散らす。 「リーダー失格。リーダーからおろすぞ」 「お前のチームは全然ダメ。解散させるぞ」 「お前ら雇った意味ねぇな」 「どいつもこいつもなってない。部員失格」 好き嫌いが激しく嫌いな人に対しては挨拶すら完全無視。 同じことをしたとしても、特定の人(嫌いな人)だけ罵倒される。 気分が都度変わり、張本人に指示された内容であっても気分次第で罵倒される。 ・・・etc...。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || 先に訂正しますが、パワハラを訴える外部団体として「労働基準監督署」を挙げる人がいますが、労働基準監督署は「賃金、労働時間、安全衛生などについての監督、指導などを行う」場所なので、厳密には異なります。 下記のURLにて、パワハラについても言及されていますので一度ご覧になってください。 【知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~】 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouzenpan/roudouhou/index.html CHECK:【抜粋】パワハラの相談先  <総合労働相談コーナー> 各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や全国の各労働基準監督署などに設置している「総合労働相談コーナー」では、解雇、賃金引下げなどの労働条件の問題のほか、募集・採用、いじめ・嫌がらせなど、労働問題に関するあらゆる分野について、労働者、事業主どちらかからの相談でも、専門の相談員が、面談あるいは電話でお受けしています(ご相談は無料です)。 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html <法テラス> 法テラスは、法的トラブルに遭ったときに「どこに相談したらいいか分からない」「身近に弁護士がいない」「弁護士費用が払えない」といった理由から、相談できずにいる人も少なくないことから、全国どこでも、だれでも、必要な法的支援を受けられるよう設立された総合相談所です。 労働問題についても、みなさんの法的トラブルを解決するため、法テラスでは、さまざまな法的サービスを提供しています。 https://www.houterasu.or.jp/ (adsbygoogle = window.adsbygoogle || 色んなケースを想定しましたが、人事部へ訴えることにしました。 そこに期待しないのであれば、もはや証拠を出して訴訟を起こすという、強硬手段しかないからです。 そこまでの労力をかける力が残っていなかったこともあり、人事部を最後の頼みの綱として賭けてみることにしました。 CHECK:労働組合への相談も選択肢  勤め先に労働組合が存在している場合は、労働組合に相談してみるもの一つの選択肢です。組合がそれなりに力を持っている場合は組合が動いてくれることになりますが、組合から要求を出された場合、会社側は何かしらの対応をとらざるを得ないことになります。人事部が全くやる気がないケースでも、何かしらの動きに繋がる可能性があります。ただし、労働組合を経由した場合、手順を誤ると完全に会社側と敵対してしまうことになりますので、そこは留意が必要かと思います。 3.パワハラとの闘い(人事部にパワハラを訴えた結果) (1)人事部への訴え (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 結果   報告 ハッキリ言いますが、会社を辞める覚悟と気概がない限り、パワハラとは闘えません。 ハッキリ言いますが、パワハラ解決において、基本、同僚は頼りになりません。 波風立てて自分が不利益を被ることを恐れていることが普通です。 「誰かがなんとかしてくれないかな」と、他人任せなのが普通です。 「耐えてパワハラ上司が去ってくれるのが先」か、「自分が耐えきれなくて壊れるのが先」か。 辞める覚悟を持ってパワハラと向き合うことを決めて行動し、 「平和を自分で取り戻せる」か、「会社に追い込まれて自分が会社を辞めざるを得ない結末となる」のか。 その選択と結果は自分次第です。 私は「耐えて待つ」というのが性に合わない為、「地獄を覚悟で行動する」という選択を行いました。 その結果、途中で本当に地獄が訪れましたが(笑)、それでもそのときに後悔はしてませんでしたし、最終的には他部署への異動にも繋がり、今では「捨てる神あれば拾う神ありだな~」と一山超えてスッキリした気持ちです。 <最後に大切な補足> 本記事では詳細なやり取りは割愛しましたが、実際は、人事部とのやり取りが何度も行われた上での結果です。 行動を起こすことは本当に多くのエネルギーを使いますし、リスクを背負うことを覚悟してください。 各々の状況で最善策はもちろん違います。 ただ共通して言えるのは、「自分にとっての最悪」が何かを考え(私の場合は、この地獄があと何年も変わらず続くことでした)、自分が後悔しない選択をすることが大切だと思います。 あと、なんかあったときに出るとこに出れるようにする為に、パワハラの証拠は絶対に残しておくようにしましょう! 以上日々の選択と結果のご紹介。