漏斗胸について、最寄りのクリニック等の受診もしましたが、お話しを伺っても納得感が得ることができずモヤモヤが消えなかった為、最終的に漏斗胸を専門にされている先生のもとへお話しを聞きにいきました。

漏斗胸の治療をライフワークとされており、漏斗胸に関する知識経験が豊富な先生です。

時間も気にせず聞きたいことをすべて聞いてみましたので、ご参考までにどうぞ。


KIRO-岐路-

漏斗胸とは?何科を受診すればいいの?専門医に診てもらう?手術は必要?

 

KIRO選択ポイント

  • 漏斗胸のことがよく分からない。
  • かかりつけ医には「たぶん大丈夫でしょう」と言われた。
  • 心電図異常が発生しており不安。
  • 30代にもなってわざわざ手術を受ける必要性があるのか分からない。
  • 専門医に見せたら一方的に手術を勧められるのではないかと心配。

選択

専門医に診てもらいました!

※自分自身の身体の状態を客観的に理解することを目的として、
クリニック(呼吸器内科・外科)総合病院(循環器内科)大学病院①(呼吸器外科:漏斗胸専門)大学病院②(形成外科:漏斗胸専門)
・・・と複数の病院、複数の診療科を立て続けに受診しました。



<ご参考:前回まで>
【漏斗胸】成人30代がナス手術を決断した結果!(きっかけ編)


【受診結果】手術をすべきかどうか

結論から言うと、手術を勧める医師はいません

手術を「したそうな医師」「したくなさそうな医師」は居るような気がしますが(笑)。

状態・環境は人それぞれですので一概には言い切れませんが、各医療機関で言われる漏斗胸に関するコメントは、恐らく以下の内容とだいたいの雰囲気は似通っているのではないでしょうか。


①最寄りのクリニック(呼吸器内科・外科)

心肺への影響だけでも分かればいいなと思いダメ元で行ってみましたが、レントゲン撮っただけで有益な情報は何も得られませんでした。

そのときのコメントとしては以下の通りです。

●専門ではないので分からない
●漏斗胸を専門に見れる人はこの辺りには居ない。

CHECK:町医者はNG

最寄りのクリニックは十中八九あてになりません。漏斗胸で悩んで受診された他の方も口を揃えて仰るかと思いますが、そこらへんのクリニックに行っても「(よく分からないけど)手術しなくていいんじゃない?」で終了します。

CHECK:紹介状無しでも受診はできる

クリニック等の紹介状なしに大きな病院(総合病院)にいきなり突入すると、診察代が高くつきます。・・・が、逆に言えば、紹介状がなくてもいきなり総合病院に行っても受診はできます。現に、今回、3つの大きな病院を紹介状なしで突入してきました(笑)一番高くて1万3千円でした。考え方次第ですが、わざわざ紹介状だけをもらいにいく時間や費用を考えたら、多少高くてもいいから早く診断結果が知りたいと思っての行動でした。


②最寄りの総合病院(循環器内科)

敢えて、心臓の専門の先生(漏斗胸の専門ではない)に、漏斗胸が将来心臓にどんな影響を及ぼす可能性があるかという観点で聞いてみました。

そのときのコメントは以下の通りです。

不整脈を起こすようになる可能性はある。
●不整脈は絶対に処置しなければいけないというわけでもない。
●仮に不整脈になったとしてもカテーテルで治せる
確率論の問題で、不正脈にならない人ももちろん居る。
●手術をしてまで漏斗胸を治す必要はないと思う。(手術をした人は私は知らない

「リスク」と「手術の重さ」を天秤にかけたときに、手術をする必要はないのではないかという解釈のようでした。

CHECK:セカンドオピニオン

手術の要否というレベルでのセカンドオピニオンを求めるのであれば、漏斗胸の専門「外」かつ循環器(心臓)の専門医の先生の意見を聞いてみるのもおすすめです。術式レベルでのセカンドオピニオンであれば話しは別ですが、手術要否レベルの話しであれば、漏斗胸の専門医だけの話しを聞いてしまうと偏ってしまう気がします。


③都内の大学病院(循環器外科-漏斗胸専門医)

この歳(30代)で今さら見た目の為だけに手術をする気はない為、機能的な影響という観点でどう考えるかを専門医に聞いてみました。

結果、以下、煮え切らないコメントで終わりました。

●漏斗胸が原因で将来に影響するかもしれないし、影響しないかもしれない。
●見た目は気にしないのであれば・・・んー・・・手術しなくて良いかもしれない。
●手術することはできる。決めたら教えて。

・・・なんでしょう。

決めつけるのはよくないんですが、仮に手術するとしてもココでは手術をしてはいけない気がしました。

CHECK:信頼感

漏斗胸に限った話しではなく、手術を考えるときは「信頼できる」と感じた先生にお願いした方が良いです。ただでさえ手術という非日常的な出来事でストレス・不安を感じやすい為、「この先生大丈夫かな?」と思っている状態で前に進んでしまうと、事ある度に(それが日常的に起こり得ることであっても)「やっぱりやめておけばよかった・・・」と不必要な後悔に繋がってしまいます。



④四国の大学病院(形成外科-漏斗胸専門医)

こうなったら超専門医に診てもらおうと思い、先生に直接連絡をして四国まで飛び立ちました。

結論としては、色々質問させていただいて自分自身が納得できたため、こちらの病院で手術をお願いすることになりました。

詳細なやり取り(質疑応答)は後述しますが、簡単にまとめると以下の通りです。

心臓が明らかに圧迫されており、負荷がかかっていることは事実。
●かと言って、将来的に胸の痛みを訴える人も居れば、何事もなく過ごす人もいる。
●手術をするのであれば、早いに越したことはない。
●少なくとも今すぐにどうこうなるわけではないので、本人が手術したいと思ったタイミングが大切。

CHECK:本人の気持ちも大切に

当たり前のこと過ぎて忘れがちですが、本人の気持ちがどうかという点が一番大切なことです。結局のところ、「本人が手術をしたいと思ったとき」がその時が来たということだと思います。手術を「するべき」「しないべき」であれこれ理屈をつけて考えてはみるんですが、気持ちがそれと逆行していると、どんな理屈をつけてもモヤモヤが続きます。



【医師との質疑応答】四国の大学病院(形成外科:漏斗胸専門医)

1.CT検査の結果

下図、左側が実際のCT検査結果で、右側が通常のCT検査結果として見せていただいたものです。

ご参考までに、この状態で「中度(軽度寄り)」という診断になります。

内心、「正常な方の胸の骨(右図)、さすがに綺麗すぎではないか?」というツッコミを入れたくなった節もあるんですが(笑)、現実問題として、正常よりも、多かれ少なかれ心臓が胸骨に押されているということは目で見て理解することができました。

<断面によって写り方変わりますが・・・>



2.漏斗胸の症状やナス手術(Nuss手術)について

以下、漏斗胸がどういうものかというお話しをひたすら伺いました。

【問】自分の身体は今どういう状態なのか?将来どうなるのか?

心臓が円形ではなく、少し位置もズレている。胸壁が落ち込んでいることが原因。心臓が明らかに圧迫されており、負荷がかかっていることは事実。だからと言って心臓が拍動できないわけではないが、同じ血液の量をポンプとして送りだす為に、かかるエネルギーが大きくなっていることは確か。
ただ、心臓の強さは個人差がある為、この状態で一生元気に生きている人もいる。その反面、40代50代になったときに今よりも心臓に元気がなくなり、胸が痛い、疲れやすいといったことになる可能性もある(そういう人も居る)。

CHECK:手術の必要性(可能性ループ)

「きっかけ編」で「軽度」~「重度」の各々の状態に対する認識をまとめましたが、いずれにしても漏斗胸は「将来影響が出る“かもしれない”」という「可能性論」が付きまといます。手術するかどうかを悩ませる最大の理由の一つとして、この「どれだけ考えても可能性論から脱却できないこと」がありました。
要は、個人差によるところが大きく、「手術が必要」と言い切れるケースはほぼ存在しないような印象です。さらに言えば、私個人の勝手な想像ですが、漏斗胸を放置したことが原因で生活に支障が出るほどの将来を迎えた人はかなり少ないのではないでしょうか。機能影響だけを切り取って判断するなら、私レベルでは手術は必要ない(術後の辛さに対する機能メリットはほぼない)ような気がしています。
・・・ココまでの考えに至った時点で「現状維持(手術はしない)」という判断をしてしまえば良いのですがそういうわけにもいかず。今度は「手術してみなければメリットを実感できるかどうかなんて分からない問題(=メリットを実感できる可能性)」が発生し、悩み無限ループに突入していきます(笑)

【問】肺は問題なさそうか?

肺は問題ないように見える。(正確には術前検査にて確認する)

【問】この状態で手術をした場合(心臓の位置が正常に戻った場合)、日常生活で何かの変化(メリット)を実感できることはあるか?

長期的にみると、手術をして1~2年経つことで、前は出来にくかったことが出来やすくなることはあるかもしれない。例えばジョギングをしていてすぐに息が上がっていたのが、息が上がらなくなったりする方もいる。ただ、時間をかけて徐々に変化する為、本人にとって目に見えた変化が実感できるかどうかは分からない。

【問】心電図の異常所見が最近出始めたことが気になっているのだが?

心臓が悪くなくても、漏斗胸が原因で心電図に異常が出る場合がある。心電図は電極を複数貼って検査をするが、電極と電極の電位差を計測している。つまり、位置によって電位差に違いが出る。
心電図の異常は、「波形の異常」と「リズムの異常」の2パターンが存在する。胸の形によって、波形には影響が出る可能性はある。漏斗胸だけが原因だとすれば、治療すれば心電図の異常もなくなる。
30代になってから心電図異常が出るようになった点(心電図異常の原因が漏斗胸だけだと仮定した場合)については、機械の進歩による可能性も考えられる。心電図は今はAIで診断されることも多い為、数年前は拾わなかった異常を今は拾うようになったという可能性もある。

【問】状態のレベルでいうと?

中程度。重度ではなく軽症でもない。
重度であれば手術を勧めるが、そこまでの異常ではない為、絶対に手術をやらなければいけないというわけではない。 一方で、軽度でも手術を希望される方も居て、その場合は美容的な意味合いで手術をすることもある。
例えば、50代になって「最近胸が痛いから診てほしい」と受診される方も居る。実際に50代でも手術はできる為、今手術をやらないとダメというわけではない。ただ、例えば10年後に手術をするとしたら、ワタシさんの場合、その10年の間、心臓に負荷がかかっていることになる。それが将来に影響する可能性も0ではない為、手術するのであれば早いのには越したことはないとは思う。ただ、今すぐに必要なものでもなく、手術したいと思ったときにするのが良いと考える。

【問】30代半ばでの手術は、年齢としては遅いという情報を見たが?

そんなことはない。
ベストという意味では12歳や13歳ぐらいだが、30代半ばは私の患者さんの中では若い方。

【問】手術の傷跡はどれぐらい残るものか?

人によって全然違う。傷跡が全然分からなくなる人も居れば、見ればわかる人もいる。体質にもよる。
傷跡を綺麗にする手術を形成外科として行っている為、他の科で手術するのと比べると恐らく傷跡も目立たなくできる方だとは思う。

CHECK:形成外科について

形成外科は変形・奇形など、生活に支障をきたす外的な状態を治療することを専門としている為、見た目についても他の診療科と比べると気を遣う(ノウハウやスキルを持っている)診療科といえます。

【問】手術のリスクは何かあるか?

昔は合併症があったが、命に関わるリスクは私の患者についてはほぼ0。
ただ、バーを入れてその周りにばい菌がつくことでバーを抜かざるを得ないことはある。 そのリスクは0にはできず、1%ぐらいはあるとは思ってほしい。 いくら丁寧に手術をやっても化膿するリスクはどうしてもある。 それが起こらない為に色々な手段は講じているが、0にはできてはいない。
また、肺に水が溜まることがあり、それを排出するために入院期間が少し伸びることはある。 水の排出ができれば退院できる。

CHECK:禁煙のススメ

喫煙者の場合、禁煙をススメられます。理由を忘れてしまいましたが、術後、痰が絡んで苦しくなるとかだったような気がします。

【問】後遺症が残るレベルのリスクはないのか?

0とは言い切れないが、例えば、飛行機に乗ったとしても墜落するリスクは当然にある。 そういう意味でのリスクはある。いたずらに列挙しても不安になるだけなので気にしない方が良い。

【問】手術時間はどれぐらいか?

目安としては5~6時間ぐらい。時間を早めることももちろん可能だが、形成外科ということもあり形や見た目も重視しており手術は丁寧に行っている。傷跡を目立たなくするために縫合にもそれなりの時間をかけて丁寧に行っている。

【問】漏斗胸に慣れている心臓が、手術を受けた(急に圧迫から解放される)ことで逆に変なことにならないのか?

心臓は収縮と拡張でかなりボリュームが違う。 つまり常にボリュームは変化しているから、ボリュームの変化には強い。それは肺も同様。 最初はなじめないと思うかもしれないが、すぐ慣れる。

【問】手術後は一週間ぐらい動けないのか?

胸の中に溜まっている水を出す為に、肺に排液管をいれる。 4日間ぐらいは安静にしてもらっていることが多いが、歩行がNGというわけではない。 元気な方は手術が終わって2日、3日で歩いてる人もいる。 ただ、管が付いているので煩わしく感じると思う。4日目ぐらいから急に楽になって、5日目ぐらいから歩ける。

【問】手術日から仕事に復帰するまでどれぐらいの期間を見込めばよいか?

手術後、ある日を境に急に良くなるわけではなく徐々に良くなっていくため、仕事にいつ戻るかは人それぞれ。また、どういう仕事かにもよる。早ければ退院してすぐに働く人も居るが、満員電車(接触)が心配で出社を避ける人もいる。一概には言えないが、4週間ぐらいを一つの目安にして良いのではないか。

【問】バーはずれたりするのか?

無理をすれば3か月以内であればズレる可能性もあるが、今はほぼそのようなことは起こっていない。

【問】球技、例えばゴルフやテニスといったような体を捻るスポーツはできるか?

3か月はダメ。半年経ったら問題ない。

【問】痛すぎて途中でバーを取ったらどうなるのか?

手術の設計を入念にすればそんなに痛いということはないと思う。

【問】バーは2年ぐらい入れるのか?

2年~3年ぐらい。

【問】成人の場合は骨を一部切った上でバーで矯正するとのことだが、骨を切っても大丈夫なのか?

骨は切るが、2か月ぐらい経つと元通りになる。 その間、バーが胸郭内の臓器を守る役割をしているから問題ない。 ただ、サッカー等のコンタクトスポーツは最初の3か月は絶対にNG。 半年過ぎれば骨はくっつくので何をしても問題ない。

【問】バーが入ることで心臓マッサージはできなくなるのか?

確かに出来ない。心臓マッサージが必要な状況というのはバーの有無関係なくかなり危険な状況である。どこまでバーをリスクとして捉えるか次第になる。

【問】手術の日は家族の立会いは必要か?

必要ない。皆一人で来て一人で帰る。 手術が終わったらその旨をご家族に電話でお伝えする。

【問】手術後は家族の介助は必要か?

看護師が慣れている。看護のノウハウもあるので、一人でも大丈夫。

【問】手術をしたことを後悔するのが怖い。手術を受けて後悔する人もいるのか?

手術をして良かったと言う方はもちろん多い。ただ、面と向かって「手術しなければ良かった」と言われることはない為、内心どう思っているかは人それぞれで分からないというのが正直なところ。



3.ナス法(Nuss法)の術式について

もし自分が手術を受ける場合、どういう術式になるのかを聞いてみました。

大人のNuss手術がどういうものか、子供と同じ方法だとなぜダメなのかを丁寧に説明してくださいました。

以下、あくまで私の身体の状態に対する術式の説明になります。

一部、一般論としての説明もありますが、人によって異なるという点はご留意いただればと思います。

大人の手術は特殊だということを理解してもらいたい。

漏斗胸の手術を調べると「Nuss法(ナス法)」は絶対に出てくる。

ナス法はアメリカの外科医が開発した方法だが、もともと小児外科医。

ナス法は「バーを入れて治療する方法で、両脇だけの切開で済み、簡単にできて良い方法」とよく説明されているが、子供の構造と大人の構造は全然違う

子供だと例えば2、3キロの力で簡単に胸が持ち上がる。骨が柔らかいからその方法が成立する。

大人だと胸骨の在り方が違うため、子供と同じ方法を用いて手術をするとうまくいかない

適切な部分の骨を切ったりしないと、根本的な解決にならない

一般的なナス法ではワタシさんの場合は治らない。

大人の場合は、非常に強い力を加えないと持ち上がらない。歯の矯正と同じようなもので、その状態で無理にバーを入れても痛いし後戻りする

バーを入れる方法だと、軟骨しか修正されない。

子供であればもちろん教科書通りの手術ができる。

ただ、理屈から考えると、ワタシさんの凹みの場合、骨を切らないと治らない。

そのため、バーを入れる為に両脇を切るだけでは手術が出来ず、骨を切る為に例えば胸の下も切開が必要になる。

漏斗胸手術は形を整える手術という側面もある為、傷を増やしたくないという気持ちもわかるが、成人の場合、それでは本質的な解決にはならない

バーはワタシさんの場合はおそらく2本(もしくは3本)入れることになる。



4.術式(骨を切る)の理屈

質疑応答から術式の説明に至るまで、「骨を切る」というフレーズをさらっと出してしまいましたが、イメージとしては以下の通りです。

「切る」と言っても真っ二つに分断をするというわけではなく、イメージとしては線のようなものを入れて曲げやすくするという理解をしています(実際は、上図のように単純に一本の切れ目を入れるだけではなく、状態や場所によって複数本の線を入れるのではなかろうかと)。

正直、はじめNuss法の説明を読んだとき、「バーを入れて、押し上げて、凹みをなくす」という理屈が自分の中では、全く分からず

「このめちゃくちゃ固い骨が、なぜバーを入れて無理やり押し上げるだけで凹みがなくなるんだ?」っていう。

「”軟骨だから”曲がるっていうのであれば、”軟骨だから”元に戻るのでは?」っていう。

そんなド素人な疑問を抱いていた自分に対して、「骨は固い。無理やり持ち上げたら痛い。すぐに元に戻る。だから骨を切る。」っていうドシンプルな回答が返ってきました。

なんでしょう、「まぁ、そりゃそうだよな・・」って、当たり前のことを当たり前に言われて納得以外の何モノもありませんでした。

CHECK:実際の画像で考える

実際のCT結果に対して、結果から見て取れる、実際に内側に曲がり始めている箇所に青色の丸をつけてみました。私の場合、明らかに肋軟骨より手前から曲がり始めてます。

要は、ココを切ってから持ち上げなければ治らない(元に戻る)、だから骨を切る。・・・って仰ってるわけですが、、、理屈で考えたときにこの説明を否定する余地なんてどこにも無いような気がするのは私だけでしょうか。



結果


報告

また別の記事で、手術を決断するまでに何を悩んで何を考えていたかを書こうとは思いますが、漏斗胸に対する自分自身の気持ち(本心)とまず向き合った上で、その気持ちに寄り添ってくれそうな医師のところに先に行ってしまうのが近道になる気がします。

いずれにしても、判断をする上で何人かの先生の話しを聞いてみることは決して無駄にはなりません。

特に、循環器の専門の先生漏斗胸の専門の先生、両方の先生から話しを聞けたことで、自分の中でなんとなく「漏斗胸」に対する世間(医学)の考え方が分かったような気がしました。

<次の記事>
【漏斗胸】成人30代がナス手術を受ける決断をした結果!(手術決断編)
以上

https://www.kirocloak.com/wp-content/uploads/2022/04/routo_jushin_img001.jpghttps://www.kirocloak.com/wp-content/uploads/2022/04/routo_jushin_img001-150x150.jpgKIROcloak健康手順・方法・説明評価・口コミ・レビュー・比較漏斗胸漏斗胸について、最寄りのクリニック等の受診もしましたが、お話しを伺っても納得感が得ることができずモヤモヤが消えなかった為、最終的に漏斗胸を専門にされている先生のもとへお話しを聞きにいきました。 漏斗胸の治療をライフワークとされており、漏斗胸に関する知識経験が豊富な先生です。 時間も気にせず聞きたいことをすべて聞いてみましたので、ご参考までにどうぞ。 KIRO-岐路- 漏斗胸とは?何科を受診すればいいの?専門医に診てもらう?手術は必要?   KIRO選択ポイント 漏斗胸のことがよく分からない。 かかりつけ医には「たぶん大丈夫でしょう」と言われた。 心電図異常が発生しており不安。 30代にもなってわざわざ手術を受ける必要性があるのか分からない。 専門医に見せたら一方的に手術を勧められるのではないかと心配。 選択 専門医に診てもらいました!※自分自身の身体の状態を客観的に理解することを目的として、クリニック(呼吸器内科・外科)、総合病院(循環器内科)、大学病院①(呼吸器外科:漏斗胸専門)、大学病院②(形成外科:漏斗胸専門)、・・・と複数の病院、複数の診療科を立て続けに受診しました。 <ご参考:前回まで> https://www.kirocloak.com/routo_kikkake/ 【受診結果】手術をすべきかどうか 結論から言うと、手術を勧める医師はいません。 手術を「したそうな医師」と「したくなさそうな医師」は居るような気がしますが(笑)。 状態・環境は人それぞれですので一概には言い切れませんが、各医療機関で言われる漏斗胸に関するコメントは、恐らく以下の内容とだいたいの雰囲気は似通っているのではないでしょうか。 ①最寄りのクリニック(呼吸器内科・外科) 心肺への影響だけでも分かればいいなと思いダメ元で行ってみましたが、レントゲン撮っただけで有益な情報は何も得られませんでした。 そのときのコメントとしては以下の通りです。 ●専門ではないので分からない。 ●漏斗胸を専門に見れる人はこの辺りには居ない。 CHECK:町医者はNG 最寄りのクリニックは十中八九あてになりません。漏斗胸で悩んで受診された他の方も口を揃えて仰るかと思いますが、そこらへんのクリニックに行っても「(よく分からないけど)手術しなくていいんじゃない?」で終了します。 CHECK:紹介状無しでも受診はできる クリニック等の紹介状なしに大きな病院(総合病院)にいきなり突入すると、診察代が高くつきます。・・・が、逆に言えば、紹介状がなくてもいきなり総合病院に行っても受診はできます。現に、今回、3つの大きな病院を紹介状なしで突入してきました(笑)一番高くて1万3千円でした。考え方次第ですが、わざわざ紹介状だけをもらいにいく時間や費用を考えたら、多少高くてもいいから早く診断結果が知りたいと思っての行動でした。 ②最寄りの総合病院(循環器内科) 敢えて、心臓の専門の先生(漏斗胸の専門ではない)に、漏斗胸が将来心臓にどんな影響を及ぼす可能性があるかという観点で聞いてみました。 そのときのコメントは以下の通りです。 ●不整脈を起こすようになる可能性はある。 ●不整脈は絶対に処置しなければいけないというわけでもない。 ●仮に不整脈になったとしてもカテーテルで治せる。 ●確率論の問題で、不正脈にならない人ももちろん居る。 ●手術をしてまで漏斗胸を治す必要はないと思う。(手術をした人は私は知らない) 「リスク」と「手術の重さ」を天秤にかけたときに、手術をする必要はないのではないかという解釈のようでした。 CHECK:セカンドオピニオン 手術の要否というレベルでのセカンドオピニオンを求めるのであれば、漏斗胸の専門「外」かつ循環器(心臓)の専門医の先生の意見を聞いてみるのもおすすめです。術式レベルでのセカンドオピニオンであれば話しは別ですが、手術要否レベルの話しであれば、漏斗胸の専門医だけの話しを聞いてしまうと偏ってしまう気がします。 ③都内の大学病院(循環器外科-漏斗胸専門医) この歳(30代)で今さら見た目の為だけに手術をする気はない為、機能的な影響という観点でどう考えるかを専門医に聞いてみました。 結果、以下、煮え切らないコメントで終わりました。 ●漏斗胸が原因で将来に影響するかもしれないし、影響しないかもしれない。 ●見た目は気にしないのであれば・・・んー・・・手術しなくて良いかもしれない。 ●手術することはできる。決めたら教えて。 ・・・なんでしょう。 決めつけるのはよくないんですが、仮に手術するとしてもココでは手術をしてはいけない気がしました。 CHECK:信頼感 漏斗胸に限った話しではなく、手術を考えるときは「信頼できる」と感じた先生にお願いした方が良いです。ただでさえ手術という非日常的な出来事でストレス・不安を感じやすい為、「この先生大丈夫かな?」と思っている状態で前に進んでしまうと、事ある度に(それが日常的に起こり得ることであっても)「やっぱりやめておけばよかった・・・」と不必要な後悔に繋がってしまいます。 ④四国の大学病院(形成外科-漏斗胸専門医) こうなったら超専門医に診てもらおうと思い、先生に直接連絡をして四国まで飛び立ちました。 結論としては、色々質問させていただいて自分自身が納得できたため、こちらの病院で手術をお願いすることになりました。 詳細なやり取り(質疑応答)は後述しますが、簡単にまとめると以下の通りです。 ●心臓が明らかに圧迫されており、負荷がかかっていることは事実。 ●かと言って、将来的に胸の痛みを訴える人も居れば、何事もなく過ごす人もいる。 ●手術をするのであれば、早いに越したことはない。 ●少なくとも今すぐにどうこうなるわけではないので、本人が手術したいと思ったタイミングが大切。 CHECK:本人の気持ちも大切に 当たり前のこと過ぎて忘れがちですが、本人の気持ちがどうかという点が一番大切なことです。結局のところ、「本人が手術をしたいと思ったとき」がその時が来たということだと思います。手術を「するべき」「しないべき」であれこれ理屈をつけて考えてはみるんですが、気持ちがそれと逆行していると、どんな理屈をつけてもモヤモヤが続きます。 【医師との質疑応答】四国の大学病院(形成外科:漏斗胸専門医) 1.CT検査の結果 下図、左側が実際のCT検査結果で、右側が通常のCT検査結果として見せていただいたものです。 ご参考までに、この状態で「中度(軽度寄り)」という診断になります。 内心、「正常な方の胸の骨(右図)、さすがに綺麗すぎではないか?」というツッコミを入れたくなった節もあるんですが(笑)、現実問題として、正常よりも、多かれ少なかれ心臓が胸骨に押されているということは目で見て理解することができました。 <断面によって写り方変わりますが・・・> 2.漏斗胸の症状やナス手術(Nuss手術)について 以下、漏斗胸がどういうものかというお話しをひたすら伺いました。 【問】自分の身体は今どういう状態なのか?将来どうなるのか? 心臓が円形ではなく、少し位置もズレている。胸壁が落ち込んでいることが原因。心臓が明らかに圧迫されており、負荷がかかっていることは事実。だからと言って心臓が拍動できないわけではないが、同じ血液の量をポンプとして送りだす為に、かかるエネルギーが大きくなっていることは確か。 ただ、心臓の強さは個人差がある為、この状態で一生元気に生きている人もいる。その反面、40代50代になったときに今よりも心臓に元気がなくなり、胸が痛い、疲れやすいといったことになる可能性もある(そういう人も居る)。 CHECK:手術の必要性(可能性ループ) 「きっかけ編」で「軽度」~「重度」の各々の状態に対する認識をまとめましたが、いずれにしても漏斗胸は「将来影響が出る“かもしれない”」という「可能性論」が付きまといます。手術するかどうかを悩ませる最大の理由の一つとして、この「どれだけ考えても可能性論から脱却できないこと」がありました。要は、個人差によるところが大きく、「手術が必要」と言い切れるケースはほぼ存在しないような印象です。さらに言えば、私個人の勝手な想像ですが、漏斗胸を放置したことが原因で生活に支障が出るほどの将来を迎えた人はかなり少ないのではないでしょうか。機能影響だけを切り取って判断するなら、私レベルでは手術は必要ない(術後の辛さに対する機能メリットはほぼない)ような気がしています。・・・ココまでの考えに至った時点で「現状維持(手術はしない)」という判断をしてしまえば良いのですがそういうわけにもいかず。今度は「手術してみなければメリットを実感できるかどうかなんて分からない問題(=メリットを実感できる可能性)」が発生し、悩み無限ループに突入していきます(笑) 【問】肺は問題なさそうか? 肺は問題ないように見える。(正確には術前検査にて確認する) 【問】この状態で手術をした場合(心臓の位置が正常に戻った場合)、日常生活で何かの変化(メリット)を実感できることはあるか? 長期的にみると、手術をして1~2年経つことで、前は出来にくかったことが出来やすくなることはあるかもしれない。例えばジョギングをしていてすぐに息が上がっていたのが、息が上がらなくなったりする方もいる。ただ、時間をかけて徐々に変化する為、本人にとって目に見えた変化が実感できるかどうかは分からない。 【問】心電図の異常所見が最近出始めたことが気になっているのだが? 心臓が悪くなくても、漏斗胸が原因で心電図に異常が出る場合がある。心電図は電極を複数貼って検査をするが、電極と電極の電位差を計測している。つまり、位置によって電位差に違いが出る。心電図の異常は、「波形の異常」と「リズムの異常」の2パターンが存在する。胸の形によって、波形には影響が出る可能性はある。漏斗胸だけが原因だとすれば、治療すれば心電図の異常もなくなる。 30代になってから心電図異常が出るようになった点(心電図異常の原因が漏斗胸だけだと仮定した場合)については、機械の進歩による可能性も考えられる。心電図は今はAIで診断されることも多い為、数年前は拾わなかった異常を今は拾うようになったという可能性もある。 【問】状態のレベルでいうと? 中程度。重度ではなく軽症でもない。 重度であれば手術を勧めるが、そこまでの異常ではない為、絶対に手術をやらなければいけないというわけではない。 一方で、軽度でも手術を希望される方も居て、その場合は美容的な意味合いで手術をすることもある。 例えば、50代になって「最近胸が痛いから診てほしい」と受診される方も居る。実際に50代でも手術はできる為、今手術をやらないとダメというわけではない。ただ、例えば10年後に手術をするとしたら、ワタシさんの場合、その10年の間、心臓に負荷がかかっていることになる。それが将来に影響する可能性も0ではない為、手術するのであれば早いのには越したことはないとは思う。ただ、今すぐに必要なものでもなく、手術したいと思ったときにするのが良いと考える。 【問】30代半ばでの手術は、年齢としては遅いという情報を見たが? そんなことはない。ベストという意味では12歳や13歳ぐらいだが、30代半ばは私の患者さんの中では若い方。 【問】手術の傷跡はどれぐらい残るものか? 人によって全然違う。傷跡が全然分からなくなる人も居れば、見ればわかる人もいる。体質にもよる。 傷跡を綺麗にする手術を形成外科として行っている為、他の科で手術するのと比べると恐らく傷跡も目立たなくできる方だとは思う。 CHECK:形成外科について 形成外科は変形・奇形など、生活に支障をきたす外的な状態を治療することを専門としている為、見た目についても他の診療科と比べると気を遣う(ノウハウやスキルを持っている)診療科といえます。 【問】手術のリスクは何かあるか? 昔は合併症があったが、命に関わるリスクは私の患者についてはほぼ0。 ただ、バーを入れてその周りにばい菌がつくことでバーを抜かざるを得ないことはある。 そのリスクは0にはできず、1%ぐらいはあるとは思ってほしい。 いくら丁寧に手術をやっても化膿するリスクはどうしてもある。 それが起こらない為に色々な手段は講じているが、0にはできてはいない。 また、肺に水が溜まることがあり、それを排出するために入院期間が少し伸びることはある。 水の排出ができれば退院できる。 CHECK:禁煙のススメ 喫煙者の場合、禁煙をススメられます。理由を忘れてしまいましたが、術後、痰が絡んで苦しくなるとかだったような気がします。 【問】後遺症が残るレベルのリスクはないのか? 0とは言い切れないが、例えば、飛行機に乗ったとしても墜落するリスクは当然にある。 そういう意味でのリスクはある。いたずらに列挙しても不安になるだけなので気にしない方が良い。 【問】手術時間はどれぐらいか? 目安としては5~6時間ぐらい。時間を早めることももちろん可能だが、形成外科ということもあり形や見た目も重視しており手術は丁寧に行っている。傷跡を目立たなくするために縫合にもそれなりの時間をかけて丁寧に行っている。 【問】漏斗胸に慣れている心臓が、手術を受けた(急に圧迫から解放される)ことで逆に変なことにならないのか? 心臓は収縮と拡張でかなりボリュームが違う。 つまり常にボリュームは変化しているから、ボリュームの変化には強い。それは肺も同様。 最初はなじめないと思うかもしれないが、すぐ慣れる。 【問】手術後は一週間ぐらい動けないのか? 胸の中に溜まっている水を出す為に、肺に排液管をいれる。 4日間ぐらいは安静にしてもらっていることが多いが、歩行がNGというわけではない。 元気な方は手術が終わって2日、3日で歩いてる人もいる。 ただ、管が付いているので煩わしく感じると思う。4日目ぐらいから急に楽になって、5日目ぐらいから歩ける。 【問】手術日から仕事に復帰するまでどれぐらいの期間を見込めばよいか? 手術後、ある日を境に急に良くなるわけではなく徐々に良くなっていくため、仕事にいつ戻るかは人それぞれ。また、どういう仕事かにもよる。早ければ退院してすぐに働く人も居るが、満員電車(接触)が心配で出社を避ける人もいる。一概には言えないが、4週間ぐらいを一つの目安にして良いのではないか。 【問】バーはずれたりするのか? 無理をすれば3か月以内であればズレる可能性もあるが、今はほぼそのようなことは起こっていない。 【問】球技、例えばゴルフやテニスといったような体を捻るスポーツはできるか? 3か月はダメ。半年経ったら問題ない。 【問】痛すぎて途中でバーを取ったらどうなるのか? 手術の設計を入念にすればそんなに痛いということはないと思う。 【問】バーは2年ぐらい入れるのか? 2年~3年ぐらい。 【問】成人の場合は骨を一部切った上でバーで矯正するとのことだが、骨を切っても大丈夫なのか? 骨は切るが、2か月ぐらい経つと元通りになる。 その間、バーが胸郭内の臓器を守る役割をしているから問題ない。 ただ、サッカー等のコンタクトスポーツは最初の3か月は絶対にNG。 半年過ぎれば骨はくっつくので何をしても問題ない。 【問】バーが入ることで心臓マッサージはできなくなるのか? 確かに出来ない。心臓マッサージが必要な状況というのはバーの有無関係なくかなり危険な状況である。どこまでバーをリスクとして捉えるか次第になる。 【問】手術の日は家族の立会いは必要か? 必要ない。皆一人で来て一人で帰る。 手術が終わったらその旨をご家族に電話でお伝えする。 【問】手術後は家族の介助は必要か? 看護師が慣れている。看護のノウハウもあるので、一人でも大丈夫。 【問】手術をしたことを後悔するのが怖い。手術を受けて後悔する人もいるのか? 手術をして良かったと言う方はもちろん多い。ただ、面と向かって「手術しなければ良かった」と言われることはない為、内心どう思っているかは人それぞれで分からないというのが正直なところ。 3.ナス法(Nuss法)の術式について もし自分が手術を受ける場合、どういう術式になるのかを聞いてみました。 大人のNuss手術がどういうものか、子供と同じ方法だとなぜダメなのかを丁寧に説明してくださいました。 以下、あくまで私の身体の状態に対する術式の説明になります。 一部、一般論としての説明もありますが、人によって異なるという点はご留意いただればと思います。 大人の手術は特殊だということを理解してもらいたい。 漏斗胸の手術を調べると「Nuss法(ナス法)」は絶対に出てくる。 ナス法はアメリカの外科医が開発した方法だが、もともと小児外科医。 ナス法は「バーを入れて治療する方法で、両脇だけの切開で済み、簡単にできて良い方法」とよく説明されているが、子供の構造と大人の構造は全然違う。 子供だと例えば2、3キロの力で簡単に胸が持ち上がる。骨が柔らかいからその方法が成立する。 大人だと胸骨の在り方が違うため、子供と同じ方法を用いて手術をするとうまくいかない。 適切な部分の骨を切ったりしないと、根本的な解決にならない。 一般的なナス法ではワタシさんの場合は治らない。 大人の場合は、非常に強い力を加えないと持ち上がらない。歯の矯正と同じようなもので、その状態で無理にバーを入れても痛いし後戻りする。 バーを入れる方法だと、軟骨しか修正されない。 子供であればもちろん教科書通りの手術ができる。 ただ、理屈から考えると、ワタシさんの凹みの場合、骨を切らないと治らない。 そのため、バーを入れる為に両脇を切るだけでは手術が出来ず、骨を切る為に例えば胸の下も切開が必要になる。 漏斗胸手術は形を整える手術という側面もある為、傷を増やしたくないという気持ちもわかるが、成人の場合、それでは本質的な解決にはならない。 バーはワタシさんの場合はおそらく2本(もしくは3本)入れることになる。 4.術式(骨を切る)の理屈 質疑応答から術式の説明に至るまで、「骨を切る」というフレーズをさらっと出してしまいましたが、イメージとしては以下の通りです。 「切る」と言っても真っ二つに分断をするというわけではなく、イメージとしては線のようなものを入れて曲げやすくするという理解をしています(実際は、上図のように単純に一本の切れ目を入れるだけではなく、状態や場所によって複数本の線を入れるのではなかろうかと)。 正直、はじめNuss法の説明を読んだとき、「バーを入れて、押し上げて、凹みをなくす」という理屈が自分の中では、全く分からず。 「このめちゃくちゃ固い骨が、なぜバーを入れて無理やり押し上げるだけで凹みがなくなるんだ?」っていう。 「'軟骨だから'曲がるっていうのであれば、'軟骨だから'元に戻るのでは?」っていう。 そんなド素人な疑問を抱いていた自分に対して、「骨は固い。無理やり持ち上げたら痛い。すぐに元に戻る。だから骨を切る。」っていうドシンプルな回答が返ってきました。 なんでしょう、「まぁ、そりゃそうだよな・・」って、当たり前のことを当たり前に言われて納得以外の何モノもありませんでした。 CHECK:実際の画像で考える 結果 報告 また別の記事で、手術を決断するまでに何を悩んで何を考えていたかを書こうとは思いますが、漏斗胸に対する自分自身の気持ち(本心)とまず向き合った上で、その気持ちに寄り添ってくれそうな医師のところに先に行ってしまうのが近道になる気がします。 いずれにしても、判断をする上で何人かの先生の話しを聞いてみることは決して無駄にはなりません。 特に、循環器の専門の先生、漏斗胸の専門の先生、両方の先生から話しを聞けたことで、自分の中でなんとなく「漏斗胸」に対する世間(医学)の考え方が分かったような気がしました。 <次の記事> https://www.kirocloak.com/routo_ketsudan/ 以上日々の選択と結果のご紹介。